国道横断推進工事であったため、耐震性能を考慮して鋼管推進工法を採用し、経済的かつ付着力の高い粘性土においても面板閉塞がないオーケーモール工法のミニモール工法(TH-100)が採用された
推進工事において、鋼矢板立坑の場合には、推進坑口部の矢板2〜3枚は坑口下3m以上の鋼矢板が残置となり、ライナープレートの場合には、地山の安定を図るため1.5m以下はラインナープレートと地山の空隙にモルタル充填を行いながら築造するため推進完了後に取り外すことが出来ず残置となる。また、いずれの立坑仮設も腹起材が必要となり立坑幅が広く必要となる事や、これらの土留材の打抜きや設置に高額な工事費と築造日数を必要となることから、比較的浅埋部の推進では土留材の準備しやすい簡易土留工法(図−4、写真−5〜6)が経済的である。この様に以後の地中に仮設材の残置を極力少なくし、急を要する場合にも簡易土留、鋼管等調達しやすい資材で施工する事ができる工法である。
工 事 名:仙台港区中野地区岸壁(-9m)改良工事
工事内容:φ406.4+φ216.3mm 29m×90本、34m×4本 L=2,746m
2段タイ材地下施工工法(港湾埠頭増深化・施設の増強)
埠頭の増深工事は通常岸壁を前面に出して水深を確保するケースとなるが当港は掘込式港湾で航路、泊地のスペースが限られるため、2段タイ材地下施工工法が採用された。本工法は岸壁を支える矢板が増深工事で変形する可能性があるため、岸壁の背後地に新設する控杭から矢板にタイワイヤを張り、矢板の曲げモーメントを抑えるものである。控杭設置後に推進工法で−15度の角度で掘進を行い、その中にタイワイヤを挿入し、海中にて矢板に取付け緊張を行った後に岸壁前面を浚渫(しゅんせつ)し、大型船が接岸できるよう増深する。この推進工では、高透水性地盤の中でさや管を1.5m間隔で既設されている控杭の脇を抜き、海面下の矢板の所定の位置に到達させタイワイヤを取付けるため、推進装置の設置、推進時の計測等施工管理を厳しく行い施工した。
工 事 名:JR水郡線推進横断工事
工事内容:既設陶管(呼び径450) 改築管径:塩化ビニル管 呼び径500(さや管径:φ711.2mm)
礫質土 推進延長:L=23.50m 勾配:+16.5%
当現場は、JR水郡線を横断している既設陶管(呼び径450)を塩化ビニル管(呼び径500)に入れ替える工事である。 現地調査では、既設陶管(呼び径450が、経年変化による沈下不陸および断裂を生じ排水不全になったと判断された。現地状況は、鉄道施設内であり仮設道路を設けなければ到達部に立ち入れないといった状況であった。鉄道横断ということもあり本工法が選定された。
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